トランプ勝利:日本人は胸に手を当てるべき

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ドナルド・トランプが勝ちました。

世界中のメディアや識者が驚いています。

エコノミストのポール・クルーグマン氏はニューヨーク・タイムズに寄せてこう言っています。
「我々は自分たちが住むこの国をわかっていなかった。オープンで寛容で、民主的な価値観を大切にする人々だと思っていたが、どうやら間違いだったようだ」

このような分析は、私もおそらくそこに分類されるであろう「リベラル陣営」の人間がよくする分析ですが、私はこれ、間違いだと思っています。

Brexitの時も同じでした。「教育を受けてない低所得者層が非合理的な選択をした」と言われました。

今回起きたのは、人々が民主的な価値を軽んじていたのではなく、民主主義の国に住んでいると信じてきたのにあまりにも「非民主的」になってしまった経済の残酷に対して、民主的に意思表明をしたということです。

「アメリカにとって悲劇の日となった」と言いますが、おそらくトランプに投票した人のうちかなりの人たちが、もっと前に「悲劇」を迎えていたのだと思います。

「トランプ支持者たちは自分たちが何をしたかわかっているのか?全てを失うことになるぞ」と言われても、彼ら的には、「もうとっくに失ってるよ。お前らのせいで。お前たちも同じ思いをすればいい」ということでしょう。

ただ、その意思表明のために用意された経路があの金髪トサカ頭の白人至上主義・男権主義的なファシストであったために、ああいう発露になったと見るべきです。

「正義」の言説をリベラル系が独占してきたがために、リベラルの偽善に裏切られ、正義の言説にオーナーシップを感じることができない人たちの力が、「平等」とか「人権」といった価値観を「きれいごと」として拒絶する方向に政治を動かしてしまった。ヘイトがメインストリーム化してしまった。

クルーグマン氏含む「リベラル系」が、そういう状況をちゃんと理解して、バーニー・サンダースを民主党候補にしていたら、トランプ票のいくらかは、スコットランド独立を問う住民投票で表明されたように、サンダースに流れた可能性があると思います(サンダースとトランプのTV討論見てみたかった!)。ただし、米国社会の中年以上の人たちの間では「社会主義的なもの」へのアレルギーが強すぎるので、トランプの勝利は変わらなかったと思いますが)

ただし、これから恐ろしい時代になるということは、おそらくその通りだと思います。

  • 白人労働者階級や貧困への転落を恐れる「中の下」あたりが、他の選択肢もない中トランプに流れたことは、たしかに醜いながらも理解できることだとして、問題は、富裕層や「中の上」あたりにもトランプ支持がかなりの数存在することがわかっており、彼らの動機は排外主義、人種差別、貧困層への侮蔑と嫌悪以外の何物でもなく、まさに「醜悪そのもの」です。推測ですが、自ら壁を建てて周囲と隔絶し、富裕層だけが住むことが認められた「要塞都市」の住民と、かなり重なるグループでしょう。
  • トランプ自身もこの寄生的な連中に近い存在であり、彼が今後大統領として自ら政策にイニシアティブを採るのであれば、トランプに投票した白人労働者たちを含む、いろんな意味での脆弱層やマイノリティに最も被害が及ぶでしょう。
  • つまり、米国社会は正しく根拠のある怒りを表明したが、その表し方が自傷行為的なものになってしまった。

今回の選挙で明らかになったことは、「民主主義を守るのは、民主的な政治制度や手続きではなく、そこで選ばれた指導者が負託に応えて実現する民主的な経済」ということだと思います。

今後、リベラル陣営に求められるのは、新自由主義への根本的な批判であり、経済的弱者の間の連帯を構築することです。

トランプ的な方角から「移民のせいで賃金が下がる」という言説が垂れ流されたら、「賃金を下げてるのは移民ではなく、移民労働者を低賃金で搾取するあなたたち資本家だ」と言うこと。

「移民が社会保障にただ乗りしている」と言われたら、「移民たちは、あなたのような資本家が税逃れしている間にも必死に働いて納税してきた」と反論すること。

これまでCNNやニューヨーク・タイムズはどこまで本気でその努力をしてきたか。
それをせずに、やれ「ガラスの天井を破れ」だの「人種の平等」だのと言っても、なんか白々しいんですよ。

 

翻って、日本。

メディアの皆さん。「トランプ当選?信じられない」的な顔はぜひやめてもらいたい。

そのショックを、石原氏や橋下氏が知事になったときに表現しましたか?
彼らの言ってきたことは、トランプにまったく引けを取りませんよ?

さっきも「欧州の極右政党がトランプ氏当選に祝意」と報じてましたが、「欧州の極右政党」と、現在の自民党主流や「日本のこころを大切にする党」の違いは一体どれくらいありますか?なぜあちらを「極右」と呼び、こちらは「保守」なんですか?欧州では「保守」は「極右」を批判してますよ。

先日、フィナンシャル・タイムズ紙が世界の強権的指導者の一人に我が国の首相をカウントしていましたが、そういう感覚、持っていますか?

胸に手を当ててみれば、我々日本人は米英で起きてることがよーく理解できるはずで、逆に欺瞞に満ちたリベラルだったとしても、クリントンがトランプに接戦できる米国社会の方が、さらに言えばサンダース経由でクリントンを追い詰めた米国社会の方が、まだ健全と言えるのでは?

米英は新自由主義プロジェクトを始めた国。労働組合を破壊し、大企業オンリーの政治をした。その両国でほぼ同時に労働者階級が中指を立てたのは非常に示唆的。日本はこのプロジェクトがかなり遅れて始まったので、経済システムは米英社会ほど壊れていないけど、人権や平等に根ざした足腰が弱いから、米英よりも先に崩れていたと、言えるのではないでしょうか。

トランプ勝利:日本人は胸に手を当てるべき」への27件のフィードバック

  1. まぢで笑いました。安倍、小池、橋下、石原、を称賛してきたと思われる日本のマジョリティがトランプを選んだ米国に落胆する様子が。
    沖縄に対する仕打ち、在日朝鮮人に対する仕打ち、移民政策、核の不拡散への取組み、僕にはトランプとの差が見えません。

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    • だよねー。
      ダブルスタンダードもいい加減にしろ、と言いたいところだけど、多分、日本で起きていることをそういう客観的な物差しで見ることすらできていないんだろうね。

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  2. ネットを見ていてこのサイトに行き当たり、読ませていただきました。

    この13年間、うつ病で病気休暇を取りながら、なんとか首がつながっています。

    職場には、一応「リベラル」を標榜する労組がありますが、はっきり言ってなんの役にも立ちません。むしろ、保守思想を持った個人的な友人たちの方が、「大変やね。けど治る病気やから、一緒にやろうよ。」と言ってくれるくらいです。

    どんな思想も、庶民を離れてはありえません。それが良い思想であれ悪い思想であれです。

    その日を懸命に生きる庶民は、高邁な思想よりもまずは、その日の衣食住を確保することに心血を注ぎます。
    いや、電通の事件を見ていると、衣食住の確保すら、自由であり平等であり人権がないと満足に確保されないないことを、庶民感覚として政治が吸い上げなくてはいけないのです。

    しかし残念かな、日本のリベラルは、そこが決定的に弱すぎる。アメリカもそうかもしれませんし、他の国もそうかもしれません。

    結局のところ、庶民の暮らしを守らない政治は、見捨てられ崩壊するのではないかと、心底思いました。

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    • 夜間飛行様
      コメントをありがとうございます。
      私も最近まで高邁な思想で満足していた部類の人間で、それではいかんというのが最近のテーマになっています。
      皮膚感覚を大事にしたオルタナティブを紡いでいきたいですね。

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  3. 基本的にご意見に賛成。ただヒラリーの代わりにサンダースが民主党候補となっていたら大差でトランプを破っていただろうと思います。その程度にはアメリカは健全です。

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  4. どこまでも上から目線。異質な考えは蔑み、見下し、遅れていると決めつける。
    来月にもう一回やり直し選挙があって負けるよ。
    同じ目線で対話し意思疎通するつもりは感じられないのだから。

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  5. この、ごく当たり前の指摘がされた文章を、我が国の若者たちの何割が読解できるのでしょうね?

    くどうですさんのご意見、もっともだと読ませていただきました!しかし、今の日本の政治の仕組みでは、トランプ氏のような良くも悪くも強烈な個性の政治家は出てこれないであろうし、仮に出てきてもこの数十年の間に政策によっていいように無知にされてきた牙を持たない国民(これが我が国のリベラル派ですかね?)には受け入れられそうにないですね。

    夜間飛行さんの言うように、労組はストライキ一つ打てない形だけのもの。場合によっては資本の側に立つていたらく。一体どこまで進めば庶民は声を上げるのかと、私自身も冷ややかな目で見ている態度を反省しました。

    そういう意味では、今回のトランプ氏の当選はあらゆる階級の人々に何らかの一石を投じたと言えなくもないのかな?(笑)

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    • 「前提視」されていたいろいろなことが、一時的でもひっくり返されるかもしれないと思わせたことで、例えば、日米安保とか、アジア太平洋地域でそこまで米国偏重の外交で良いのか、とか。

      変えなければいけないことでも、突然変えることでいろいろな副作用が起こることもあるので、実際の変革は手順を踏む必要があると思いますが、そして結局は変わらないという選択をするのかもしれませんが、そこに選択肢があるということを知るだけでも、重要なことだと思うので、その意味では、メチャクチャな人間が大統領になったということは、一つ意味があることなのかもしれませんね。

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  6. こんにちは。米国社会はあまりに酷いです。ドラマや映画、ニュースですらそのような現実は海外へ伝えられてきませんでした。
    何故ならアメリカ政府を操っているのが億万長者であり、企業や資本家、資産家たちに都合が悪い事実は外に出しません。

    資本家、起業家、企業家の力が非常に強くなり(レーガン以降、新自由主義政策をずっと続けてきた為)、富裕層減税を行い、公共福祉サービス削減、リストラが進み、労働組合はレーガン政権以壊され続けてきました。
    https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2015/02/24/the-incredible-decline-of-american-unions-in-one-animated-map/

    しかもアメリカは(世界一?だったと思いますが)国民の休日が少なく政府休日はあっても労働者休日の恩恵が少なく、病気休暇すら取れない労働者(長期間休むと首を切られたりする)、給料はすずめの涙(週給制やフリーランスで最低賃金で雇い福利厚生も無かったり最低限、長時間労働。
    苦労して大金を払って借金をしながら大学を出て、最初は無給からなど苦労して就職した会社の月給制でも同じようなもので、物価や医療保険など生活費は上がっているのに、賃金は上がらずボーナスも無いところも多い。

    政府、起業家、企業オーナー、企業幹部や資本家(資産家)はその逆で、彼らから吸い取った金と投資によって大金持ちとなっている歪んだ実態。彼ら金持ちの子息は何もせず株や資産で肥えていく。

    アメリカのサービス業もチップ制度という最低な制度があり、これによってサービス業のオーナーはロクなサービスでもないのに「高い価格」を付けて顧客に提供しながら、一方で労働者には法律ギリギリの払うか払わないかの最低賃金を与え、さらにオーナーではなく顧客がチップを労働者にサービス料金を上乗せして支払うように「ほぼ強制」している矛盾が起きています。(顧客はダブルで支払わされ、労働者はチップがあって生活が潤う程度の給料で働き、儲かっているのはオーナーだけ)。

    またアメリカ全土で労働組合の力が弱くなり、労働者の為に戦う人たちは不法解雇されたり訴えられたリしてきたのです。資本家や企業オーナーに言わせると、「労働組合は要求が過ぎて自分たちの思うように労働者が働かないため」

    トランプの人気は、毎日どこかで必ずテレビに映っており、特にエンターテイメント(芸人番組に多く出演して全ての暴言がジョークであるかのように捉えるやり方で面白おかしいのが好きな層の好感度を上げ)、ヒスパニック系の支持者が多く(しかもヒスパニック民主党支持者はバーニーではなくヒラリー支持者が多かったです)、貧しい原因も事実も知ろうとしない層の人気を博したことが最大の原因だと思います。
    またヒラリーのこれまでの言動と信用の無さは晒され続けてきたので国民はもちろん知っています。
    ですが共和党やトランプこそが長年労働組合反対派であり、最低賃金を上げることに最近まで反対しており、富裕層優遇政治を目指しており(脱税・租税回避を繰り返して資産を溜め込み)んできたこと。
    保険屋が作ったオバマ保険を解体したい理由についても、政府による国民皆保険を目指すのでもなく、医産複合体(保険屋、病院、製薬会社)のぼったくりと政治癒着を解体するのでもなく「富裕層(企業)の望む治療が、医療保険強制によって思うような価格で済ませられないのは問題だ」としています。
    そのような事実を調べたり知ることも無く、知っていても関係ないと思うような国民を、トランプは取り込めたわけです。
    また民主党ヒラリーの悪質さに辟易したり、民主党特別委員によるバーニー・サンダースへの仕打ちを怒った人たちもトランプに向かいました。

    トランプが選んだ副大統領候補はリバタリアン(新自由主義者)の共和党議員マイク・ペンスであり、マイク・ペンスこそ新自由主義であり大富豪でもあるコーク兄弟(共和党議員を買収しまくっている)の最も深い関係の人物の一人です。
    また、ティー・パーティはコーク兄弟の出資によって設立されています。
    全く政治の経験が無いトランプの背後で、彼らが実質、政治を動かすのではないかと思っています。

    私は今でも、バーニー・サンダースこそが大統領となるべきだったと思っています。

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  7. こんにちは。米国社会はあまりに酷いです。ドラマや映画、ニュースですらそのような現実は海外へ伝えられてきませんでした。
    何故ならアメリカ政府を操っているのが億万長者であり、企業や資本家、資産家たちに都合が悪い事実は外に出しません。

    資本家、起業家、企業家の力が非常に強くなり(レーガン以降、新自由主義政策をずっと続けてきた為)、富裕層減税を行い、リストラが進み、労働組合はレーガン政権以壊され続けてきました。
    https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2015/02/24/the-incredible-decline-of-american-unions-in-one-animated-map/

    しかもアメリカは(世界一?だったと思いますが)国民の休日が少なく政府休日はあっても労働者休日の恩恵が少なく、病気休暇すら取れない労働者(長期間休むと首を切られたりする)、給料はすずめの涙(週給制やフリーランスで最低賃金で雇い福利厚生も無かったり最低限、長時間労働。
    苦労して大金を払って借金をしながら大学を出て、最初は無給からなど苦労して就職した会社の月給制でも同じようなもので、物価や医療保険など生活費は上がっているのに、賃金は上がらずボーナスも無いところも多い。

    政府、起業家、企業オーナー、企業幹部や資本家(資産家)はその逆で、彼らから吸い取った金と投資によって大金持ちとなっている歪んだ実態。彼ら金持ちの子息は何もせず株や資産で肥えていく。

    アメリカのサービス業もチップ制度という最低な制度があり、これによってサービス業のオーナーはロクなサービスでもないのに「高い価格」を付けて顧客に提供しながら、一方で労働者には法律ギリギリの払うか払わないかの最低賃金を与え、さらにオーナーではなく顧客がチップを労働者にサービス料金を上乗せして支払うように「ほぼ強制」している矛盾が起きています。(顧客はダブルで支払わされ、労働者はチップがあって生活が潤う程度の給料で働き、儲かっているのはオーナーだけ)。

    またアメリカ全土で労働組合の力が弱くなり、労働者の為に戦う人たちは不法解雇されたり訴えられたリしてきたのです。

    トランプの人気は、毎日どこかで必ずテレビに映っており、特にエンターテイメント(芸人番組に多く出演して全ての暴言がジョークであるかのように捉えるやり方で好感度を上げ)、ヒスパニック系の支持者が多く(しかもヒスパニック民主党支持者はバーニーではなくヒラリー支持者が多かったです)、学歴も事実も知ろうとしない層の人気を博したことが最大の原因だと思います。

    ヒラリーの信用の無さは晒され続けてきたので国民はもちろん知っています。
    ですが共和党やトランプこそが長年労働組合反対派であり、最低賃金を上げることに最近まで反対しており、富裕層優遇政治を目指しており(脱税・租税回避を繰り返して資産を溜め込み)んできたこと。
    オバマ保険を解体したい理由についても、政府による国民皆保険を目指すのでもなく、医産複合体(保険屋、病院、製薬会社)のぼったくりと政治癒着を解体するのでもなく「富裕層(企業)の望む治療が、医療保険強制によって思うような価格で済ませられないのは問題だ」としています。
    そのような事実を調べたり知ることも無く、知っていても関係ないと思うような層をトランプは取り込めたわけです。また民主党ヒラリーに辟易したり、民主党特別委員によるバーニー・サンダースへの仕打ちを許せない人たちもトランプに向かいました。

    トランプが選んだ副大統領候補はリバタリアン(新自由主義者)の共和党議員マイク・ペンスであり、マイク・ペンスこそ新自由主義であり大富豪でもあるコーク兄弟(共和党議員を買収しまくっている)の最も深い関係の人物の一人です。またサポートしているティー・パーティはコーク兄弟の出資によって設立されています。
    何の経験も無いトランプの背後で彼らが実質動かしていくのではないかと思います。

    私は今でもバーニー・サンダースこそが大統領となる人だったと思っています。また二大政党ではなく第三党(リバタリアン党ではなく緑の党)を強化していくべきだと思います。

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  8. あなたのブログを読み、「相手の意見に憎しみをもって説得できるのか」、という最近の私の関心ごとがよりクローズアップされました。どうすれば、米国や日本のお金持ちが心を改め、また、日本の右翼的(差別的)な石原・橋本の信奉者の意見を変えさせられるのでしょうか?

    ヒラリー・クリントンは、トランプの支持者を「嘆かわしい連中」と呼びましたが、彼らの考えを変えることができたのでしょうか?
    翻って、日本で偏見に満ちた人々に、「お前らはダメだ!なってない!」と批判することで社会は良くなるのでしょうか?私には、まだ、どうして良いかわかりません。

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    • 捏造してませんよ。FT記事は原文の中で、日経が訳した通りに安倍氏のことを描いています。

      原文タイトルに安倍の名前がないのは事実で、それは英紙であるFTと欧州の読者にとって記事の中で挙げている数名の強権的指導者の中で、安倍氏の知名度や重要度はそこまで高くないからです。

      日経がこの記事を訳すとき、日本の読者の中を引くためにタイトルに安倍氏の名前を加えたのでしょう。それは捏造ではなく、まったく正当な編集だと思います。
      記事の内容は正確に訳していて、編集や捏造はありません。

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  9. 反論コメントをさせていただきます。
    まず私は自民党は支持していますが、積極的選択ではありません。
    まず自民党を極右という方がありますが、それははっきり申し上げて間違いであると言えます。
    極右政党とは移民排斥などを訴える政党の事をさし、自民党は移民排斥などは容認しておりません。
    また自民党以外の日本の政党を見渡した時にリベラル政策やグローバルスタンダードな経済、財政政策をしてくれそうな政党はと考えた時に消去法で自民党に行き着きます。
    なぜなら民進党は明らかに再分配一辺倒の経済成長政策を皆無に近いぐらい語られていません。
    次に共産党でありますが、共産党は綱領などを読むと分かりますが、矛盾と理想論の塊であり、現実味がないです。
    上記以外の政党もいいことは言っても支持されません。
    その上で選ばれるのが自民党になるのは至極真っ当な事であり、消費増税した事や憲法草案はダメですが、他の政策に関しては概ねよいと思います。
    アベノミクスは本当に今までの日本の経済政策の中ではかなりよい政策であります。
    アベノミクスに関してはクルーグマン氏やスティグリッツ氏も賛同しております。
    野党がしっかりしないのがいけないという点と我々国民が生活の基本である経済政策をもっとちゃんと考えるこうしてほしいと訴える事や正しい経済学の知識を備える事がかなり重要であります。
    18、19歳の多くは自民党に投票いたしますた。
    自民党が極右だとは思いませんが、そのような批判する前に他のもっとひどい政党やメディアや新聞の間違った経済学の知識を改めろという方が先だと思います。
    正しい経済認識こそ国民の生活が豊かになる近道だと私は思います。

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    • コメントをありがとうございました。
      「野党がしっかりしないのがいけないという点と我々国民が生活の基本である経済政策をもっとちゃんと考えるこうしてほしいと訴える事や正しい経済学の知識を備える事がかなり重要であります。」という部分はどの通りと思います。
      また、日本の政党地図を見たときに、消去法的に自民党が選ばれる理由もわかる気がします。

      しかし、私から見て同意できない点も数点ございます。

      1. 「日本の政党を見渡した時にリベラル政策やグローバルスタンダードな経済、財政政策をしてくれそうな政党はと考えた時に消去法で自民党に行き着きます。」について

      ここで仰っている「リベラル」が経済的リベラル、つまり自由化や民営化、市場化、規制緩和を旨とするネオリベラリズム(新自由主義)を指すのであれば、その通りです。

      しかし、私の投稿の本旨は、米大統領選や英国の国民投票で明らかになったのは、そのネオリベラリズムの総本山である両国(この両国が、彼らが支配する世界銀行やIMFなども使って、ネオリベラリズムを、あなたが仰るような「グローバルスタンダード」にしてきたのですが)の庶民が、経済的自由主義に反旗を翻したということですから、「日本で(経済的)リベラル路線を採っているのは自民しかいない」というご主張は、私の投稿の文脈においては、「日本における格差拡大の主因を自民党が作っている」という主張になってしまいます。

      もし、仰っている「リベラル」が「社会的リベラル」のことを指しているのであれば、それは自民党には当てはまらないでしょう。社会的リベラルとは、男女平等、LGBTや障害者などマイノリティの権利擁護とそれを実現するために「不平等な扱い(マイノリティがマジョリティと同じ土俵に立てるようにするための種々の手当や待遇)」を是認する立場ですから、日本の政党の中では、どちらかというと野党に多いポジションです(与党でも公明党は比較的こちらよりで、野党でも日本維新の党や日本のこころを大切にする党、日本を元気にする党などは、逆ですが)。

      2. 「民進党は明らかに再分配一辺倒の経済成長政策を皆無に近いぐらい語られていません。」について

      引用されているクルーグマンやスティグリッツがずっと主張しているのは、
      ①新自由主義政策は最富裕層や多国籍企業だけを潤し、そこから最下層への富のトリクルダウンは起きない仕組みを作ってしまうので、格差を拡大する。
      ②格差の拡大と貧困の放置は、結局のところ内需を冷やし、経済成長をくじいてしまう。
      ③成長を目指すのであれば、富裕層や大企業への課税を増やし、その財源で政府支出で教育や医療の個人負担を減らし、インフラを支えること、また労働政策を強化して、賃金を上げることなどを通じて、格差の縮小と内需の促進を行うこと

      などです。

      つまり、「成長しなければ再分配などできない」ではなく、「成長を口実に縮小されてきた再分配を再度構築しなければ、成長ができなくなる」という立場です。

      同じことを、あのIMFもここ数年の間に言うようになりました。

      民進党の政策が、再分配政策として必要な水準に達しているか、また、再分配から成長につなげる回路を設けているかは、私は今すぐに判断できかねますが、再分配から手をつける、というアプローチ自体は間違っていないと思います。

      3. 「極右」について
      欧州の極右政党のほとんどが今のところまだ野党であるのに対し、自民党は与党ですから、当然、欧州の極右政党に比べて作法は悠然としているし、言葉遣いも粗暴ではありません。

      が、第二次世界大戦時の、明らかに極右政権だった当時の日本政府の政策について、自らは決して批判しようとしませんし、現代の日本という国家を、あの当時の国家と完全に決別したものとして位置付けようともしません。

      戦後の自民党は、急進的な変化を嫌い、地域社会の秩序を守ろうとするまさに保守に支えられていた政党で、人権に基づく社会保障などは嫌がりましたが、他方で社会の安定のために多数の落伍者を出さないようにはしていたと思います。そして、戦争認識や隣国との関係については抑制を効かせていました。これに対して今の自民党は、格差拡大に対する問題意識は希薄で、急進的に右翼的な改憲を志向し、極右的なヘイト集団に対しても非常に甘い姿勢を採っているので、全体として、右翼的傾向がかなり強まっていることは確かだと思います。

      いいね

  10. 格差是正から新自由主義へのブレーキ求められている現在、リベラルが問われているというのは正しい分析だと思う。ただし、未だに言い訳がましくトランプだって実際にはエスタブリッシュメント側だと言ったところで何にもならん。それは実際にヒラリーだって、サンダースから散々に言われてきたことなのだから。
     では、リベラルが問われているとはどういうことなのか。思うに、リベラリズムが本来の「政府からの自由」である自由権や個人主義というものを訴えていれば良い時代は終わってしまったのだ。自由主義や個人主義が行き過ぎて、国家が弱まり、大企業はグローバルに活動範囲を広げ、グローバルな金融マーケットから資金調達でき、移民という安い労働力を確保できると有権者は考えているのだから。オバマケアだって公的保険ではなく民間の保険会社を儲けさせる制度という時点でNOを突きつけられる。
     結局のところ、昔は国家が強大な力を持っていた。それに対して自由権や個人主義を訴えていればよかった。今はグローバル企業や、そこに資金提供する投資銀行や資本家という力が国家を食うほど力を付けている。彼等はリベラルと同様に「政府からの自由」を訴え、規制緩和、民営化を推進し、個人意思の尊重を訴えて移民を大量に受け入れてきた。移民排斥だと!それは人権侵害な差別主義者だ!と。
     もはやリベラルは袋小路になりつつある。ここが一番の問題なのだ。

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    • 非常に的確なコメント、ありがとうございます。実は今書いている新しい投稿が、まさにそのテーマです。

      リベラリズムは封建時代の身分ではなく個人に軸を置いた点で、当時の市民革命を支えるイデオロギーでしたが、その「脱属性」志向が、今度は資本主義が生む階級という属性を(また、ジェンダーや居住地域など、個人を規定するさmざまな属性)見えなくしてしまうという副作用があったと思います。

      もちろんリベラルはそのことに気づきましたが、肝心の経済政策の部分で経済的リベラリズムを擁護する流派(それはご指摘の、「企業もリベラルと同様に政府からの自由を求める」ことを許してしまう)と、より大きな政府を通じて平等や衡平性を確保しようとする流派に分かれ、近年の民主党主流派は後者だったのでしょう。

      そのため、経済的自由主義が生む格差を根本的に批判することができず、しかし社会的自由主義が価値とする多様性や移民包摂、男女平等などを言うものだから、トランプ的な言説(君たちの苦難はそうつらマイノリティのせいだ、ポリティカルコレクトネスなど糞食らえだ)に隙を与えているものと思います。

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      • 僕は、その答えの一つは中庸ではないかと思っている。右でも左でも、上でも下でもない真ん中へのバランスを維持すること、そして中心を明確化することが問われると思う。

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        • そのスタンスの問題点があるとすると、真ん中の場所を決めるのが、極に立つ人たちであるということです。

          民主党政権に対して自民党が非常に右の立場から批判し、民主党が抗しきれずに政権維持のために保守化すると、さらに右から攻撃して政権を奪還し、以来そのまま政権を運営していますが、民主党政権成立前の自民党と今の自民党では、明らかに今の自民党の方が右にいます。そして自民がそこまで右に行く一方で左は対して左傾化を深めていませんから、日本政治の中庸は、右に移動しています。そうすると、いずれ中庸が、過去の右と重なってしまいます。

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  11. ピンバック: トランプ批判のマイケル・ムーアはリベラルか? | The Eyes of a Cloud

  12. 極めてまれな正鵠を得たご意見です。クリント・イーストッドが言ったが、「誰もがポリティカルコレクトネスを言い出す柔な国になった。トランプがまだましだ。」 お節介覇権主義よりグラントリノの孤塁を守るイースウッドらしいが、格差社会やラストベルトを齎した30億に匹敵する一握りの億万長者の、上塗りナルシスト野郎に夢を託するのも笑える。アメリカの内部崩壊の始まりですね。

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